信行印刷株式会社

UV印刷の特長

1.スプレーパウダーが不要

<快適で清潔、そして健康に配慮した作業環境>
・枚葉印刷では、裏付き防止のためにスプレーパウダーをスプレーパウダー使用します。そうしないと、紙の重さで裏面にインキが裏写りしてしまいます。しかし、パウダーが工場内に立ちこめ、印刷機は白く汚れ、作業者は長期間吸い込んで、身体(呼吸器系)に害を与える危険があります。
・UV印刷は瞬時にインキが乾燥するので、裏付きが起きません。したがって、パウダー 不要になり、快適な作業環境になります。
・呼吸器障害を引き起こす危険もありません。

<ノイズの原因がない印刷物>
・ビデオ、カセットテープ等は録画、録音時のノイズの原因物質であるパウダーを嫌います。

<衛生的な印刷物>
・パウダーなど不純物の付着を極力嫌う食品・包装紙・容器などには、衛生的でかつ環境にやさしいUV印刷が必要です。

<PP加工・プレスコートの仕上りがきれい>
・印刷物の艶出し加工としてPP加工やプレスコート加工をする際、スプレーパウダー粉が印刷面の表面に付着して残り、、ブツブツの状態になり仕上りが悪いことが多くあります。
通常、印刷後に「粉取り」と称して、再度、印刷機に通して(カラ通し)、パウダーを取ります。
・UV印刷はスプレーパウダーを必要しません。
仕上がりがきれいになり、ムダな「粉取り」作業も不要です。

スプレーパウダー
 通常のオフセット印刷(油性印刷)では、印刷された直後に、粉(澱粉)をシート全体に均一に吹き付けて仕上げを行う。
 絵柄にインキが着き、一枚一枚が重なり合う度に乾燥していない印刷用紙はくっついて裏に絵柄が移ってしまい、不良となってしまいます。
 そこで、パウダーを吹きつけて印刷物に空間を保ち、インキが酸素と触合う度合いを高め、パウダーを適量を吹き付けることでシート間に隙間を作り乾燥を促進させる。 パウダーの原料は植物性の澱粉が一般的に使用されている。

2.板取り作業がなくなる—労働負荷の低減

・裏付き防止のためには、通常は板取り作業が欠かせません。
用紙の重さで、裏面にインキが裏写りするのを防止するため、約10cmくらいの高さになったら、板取り作業が必要です。
しかしこれは、決して楽な作業ではありません。重労働です。
・UVインキは瞬間硬化するので、板取り作業が不要となります。
・パッケージで使用する厚紙の印刷は、重労働です。本当に嫌になります(経験されたらよく判ります)。
ギックリ腰・腰痛—キツイ仕事です。UVなら、労働負荷が減って、助かります。

3.プラスチック印刷では裏着き、ブロッキングの防止に有効

・枚葉印刷では、裏着き防止のためにスプレーパウダーを使用します。そうしないと、紙の重さで裏面にインキが裏映りしてしまいます。
・用紙重量が重いコートボールなどの外箱用板紙印刷では裏着きが起こります。
さらに非インキ吸収素材(プラスチック印刷)では、インキが紙と違い素材が吸収しないので、通常の油性インキだと100%裏着きしてしまいます。
だから、裏着き・ブロッキングの防止にどうしてもUVが必要となります。

 

4.インキに臭いが少ない

・有機溶剤を使用する油性インキと比較すると、樹脂系インキなので臭気がほとんどないので、玩具・食品・化粧箱などに多く利用されます。
・たとえば(チョト例としてはあまり良くはないんですが・・・)、寿司屋さんで土産でにぎりを包んでもらうと、包装紙の臭いが移ったり、タコ焼きのお土産の包装紙の臭いがしたりしませんか。油性インキで印刷しているからなんです。UV印刷なら、お土産に臭いはほとんど移りません。 
・食品関係の包装紙には、UV印刷をお勧めします。

5.印刷後加工が早い

・瞬間硬化なので、例えば折り曲げて箱にする、金箔を貼る、などの加工がすぐに可能になります。
・とりわけ、地価の高い大都市圏の印刷会社では、インキが乾くまで印刷物を置いておくスペースももったいないし、又、納期の短縮にも大きな効果があります。
・UV 乾燥装置の占有する面積は、先に述べたオフ輪用のオーブンと比較して相当に小さなものになります。

6.ドライダウンが少ない (正式には;インキドライパック)

[ドライダウン]
・・・オフセット印刷でインキが乾燥した後の印刷濃度が、印刷直後(インキがセットされた状態)の印刷濃度に比べてだんだん減少して、鮮やかやが落ちたり、濁ってきて色が沈んでくる現象を言います。

・ドライダウンが大きい場合には、印刷物の印刷濃度を見本の印刷物や色校正紙にに合せることができなくなるので、極めて重大な問題といえるのです。
このドライダウンは、塗工紙よりも上質紙等の非塗工紙の方が大きく、また塗工紙ではグロス塗工紙よりもマット塗工紙の方が大きいことが知られています。
・そしてドライダウンの原因としては、インキ成分(顔料やビヒクル)が紙層中、あるいは塗工層中に浸透することによって印刷面の光沢や光散乱が変化するために、印刷濃度が低下する現象と推定されます。(図:インキ浸透のイメージ)

[ドライダウンの発生要因とはなにか]

・ドライダウンの発生要因の1つには、インキと紙表面あるいは塗工層表面が大きく関わっています。そこでドライダウンの発生要因解明のため、ドライダウンが比較的大きいとされるマット塗工紙を用いてドライダウンを測定しました。
・その結果、塗工層の空隙径(1μmにも満たない小さな穴の大きさ)が大きいほど、またインキの初期浸透が遅いほどドライダウンが大きくなる傾向が認められました。
・塗工紙のインキ浸透性は塗工層の空隙構造(微小な穴の大きさと分布状態)に大きく影響されることから、ドライダウンはインキと塗工層の空隙構造との相互作用によって発生していることが考えられます。

ドライダウンの少ない油性オフセットインキも東洋インキ始め各社インキメーカーから発売されています。

[参照文献] 王子製紙グループ「OK NEWS 洋紙技術情報」 04年04月01号 第28号 『塗工紙のインキ浸透性コントロールと「ドライダウン」の改善』から転載しました。

7.インキ缶の乾燥ムダが出ない

・UV インキは紫外線が照射しないと硬化しませんから、印刷機の壷、ローラー上はもちろんインキ缶表面の皮貼りがありません。
(※皮貼り:インキが乾燥して表面が固まること。皆さんも子供の頃、図画の時間に水彩絵の具が固まってしまった経験があると思います。それと同じです)
・通常の油性インキでは、フタをきちっとしめても、表面が固まってしまいます。
必ずと言っていいほどムダに捨ててしまうのです。
それに比べて、UVインキは固まりませんので、ムダをすることはありません。
・缶表面の皮張りインキの除去、廃棄は不要であり、ヒッキーの低減にもつながります。
(※ヒッキー:印刷した表面にインキ玉が付着してできた小さなドーナツ状の白点。紙粉が付着したものと似ているが、これとは違います)
・印刷ロットが小さくなる程、缶の開閉回数が増え、廃棄する缶表面の皮張りインキ量も増えるので、インキの皮張りも無視できません。

8.インキ皮膜が硬く、丈夫

UV光照射による化学硬化で、硬く強い皮膜になります。

・耐薬品性が優れている
多くの溶剤や薬品を受け付けない皮膜になります。
・耐摩擦・圧迫への堅牢性が良い
堅い皮膜で表面を保護しますので、キズ・摩擦に強く、書籍の表紙、パッケージ、化粧箱に使われます。缶ビール外箱など物流上の堅牢性から多数利用されています。
・圧迫による色落ち・インキの脱落がありません
特に、最近特に目につくようになったマット紙で全面黒ベタが多いカタログ(ホントに印刷泣かせ!!)は、油性インキは真には乾燥せず、断裁時の裏映り、折りのこすれ・キズが発生してしまいます。UV印刷なら、加工時のクレームが発生しません。
・変色や褐色が少ない
屋外や日光でも通常の油性インキより、変色や褐色が少なくなります。また、耐水性も良いので、冷凍パッケージに使用されます。

【補足】 油性インキの乾燥のしくみ・・・酸化重合と浸透乾燥
●インク中の乾性油が空気中の酸素と酸化重合し、表面が固体皮膜になり乾燥する。
●また用紙に浸透しても乾燥します。
●乾性油=亜麻仁油・桐油・大豆油などの植物油

紫外線硬化システムについて

◆紫外線硬化システムに、高圧水銀ランプを使用しています
 このランプは、通常水銀が密封された透明な石英ガラス管を使用します。
普通のガラスは紫外線を吸収しますので、水銀ランプのガラス管は高純度の石英から作らなければなりません。

◆石英を使用するもう一つの理由は高温に対する耐性にあります

UVランプの表面温度は700℃ から800℃ の間にもなるのインターデッキ・ドライヤーですが、この温度が上がり過ぎるとランプのガラス管が融けてしまう為、一般的には空冷をかけます。
普通はランプの反射板側に空気取り入れ口を設けて、そこに吸い込まれる空気によってランプを冷却するのです。
これらの紫外線ランプから発生する波長の分布(スペクトル) 強度を調節するために、水銀以外の物質を、そのランプに封入することもあります。
このタイプのランプををメタルハライド(通称メタハラ) ランプと呼びます。

◆空冷ランプの排ガスに含まれるオゾンガスにも問題があります
 特に紫外線短波長領域(例えば230nm以下) に強いスペクトルもつ紫外線ランプがオゾンを発生させることが知られています。
オゾンの強い酸化作用は有毒であることも問題ですが、同時に機械を酸化(錆を発生)させてしまいます。
尚、オゾンは空気中に放散されると短時間の内に酸素に変わります。
しかし、ほとんどのケースではオゾンのない(オゾンレス) ランプが使われています。UVランプを「オゾンレス」にするために「ドーピング」という方法が使われます。
このドーピングは紫外線の短い波長をカットする方法です。詳しいことはランプメーカーのノウハウであり内容は明らかではありませんが、ガラス中に少量の紫外線短波長領域をカットする異物を混入させています。
 これにより、エネルギーの大きな短波長側がカットされてしまうためオゾンレスの紫外線ランプは10- 30% 、或いはそれ以上硬化能力が低下します。

◆紫外線ランプの寿命
 一般的にはランプを1,000時間使用すると80%程度に能力が低下するのです。
これは, 新品のランプ5本をセットしてある印刷機も, ランプの使用時間が1,000時間を過ぎると4本分のランプと同等以下の能力しかないことを示しています。
又、反射板やランプの汚れもランプの能力を著しく低下させます。

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