色の再現性・カラーマッチング

色の再現性 カラーマッチング
カラーマッチング タイトル

カラーマッチングが必要な理由

お客さまが希望する印刷物を作るのが、印刷会社の役目の第一です。
お客さまの望む点は、価格、スピード、サービス、デザイン、品質・・・いろいろあります。
その中で「品質」で特に要求されるのが、「色の再現性」です。

通常、特に色指示が無い場合、データをそのまま印刷します

 最近はメールなどでのリモート入稿が中心になってきました。メールで入稿
 データのみが送られ、出力色見本は付いていないことが多くなりました。つまりお客さまは印刷の色は印刷会社に「おまかせ」というケースが多くなりました。「色の指示が無い」=そのまま印刷 というケースです。従って色については任されていますので、印刷会社の持つ標準的な色で再現し印刷します。

 製版(CTP、製版フィルム)、版材、印刷機械、用紙、インキ、湿し水、温度、湿度などは各印刷会社によって異なります。そのため同じデータでもA印刷会社とB印刷会社では、厳密には全く同一に印刷されることはほとんどありません。
 例えば、印刷会社が違うため、女性雑誌の同じ広告でもA誌とB誌では色が違うことがよくあります。また電器店でずらーと並んだ各社の薄型TVの画面色がメーカー毎に違っているのはよく目にすると思います。赤っぽかったり、青っぽかったりしていますね。

 このように色の再現は、各メーカーなり印刷会社によって若干変わります。従って、特に色指示が無い場合、印刷会社固有の条件で印刷されます。

「カラープリントの色と合わない、色が違う」というトラブル

色が合わない
 ところがお客さまからカラープリントを渡されて、「この色にして欲しい」と要求されることがあります。提示された色見本に出来る限り合わせる必要があります。
 その際、「色が合わない、色が違う」というトラブルが起きることがあります。最悪、印刷し直しというクレームにもなりかねません。

(1)プリントの色と印刷の色が合っているか、検証します

■プリントとオフセット印刷の色は同じにはならない
  カラープリンタでカンプを作成するときに注意しないといけないことは、オフセット印刷で印刷されたものと、カラープリンタでプリントされたものとでは色はまず同じにならないということです。
 といってもカラープリンタでカンプを提案し、それがOKになると、実際のところカラープリンタでの出力を基準にデータを作り直さなければならない場合があります。 こうした場合、データをオフセットの印刷インキに合わせて、データを変換するしかありません。
  まず、モニターで確認してみますが、モニターも完璧に印刷の色に合っているわけではありません。モニターはRGBなので、実際の印刷CMYKとは全く違うので色はどうしても一致しません。
 そのため、
  ● お客さまのプリントが本当にデータに近い色になっているか。 
  ● プリントの色が印刷の色と合っているか。 
 を調べる必要がでます。

色合わせの必要性

 お客さまがカラープリンタの色は便宜的なものだと理解してくれればいいのですが、そうでなければカラープリンタの色に合わせなければなりません。CTPの版出力の前にデータの色が印刷の色に合っているか、検証する必要があります。

(2)DDCPで確認して、手直しします

 別途、時間と費用がかかりますが、当社では、印刷機と色がマッチングしてある「DDCP」をプリントアウトして、お客さまのプリントと比較して検証します。このDDCPはJapan Colorにほぼ近く、当社の印刷機で色の再現できるよう設定・調整してあります。
 比較して差がある場合、プリンタの出力に合わせてデータの手直しが必要になります。

(3)当社の検証作業

 [お客さまのデータ] → [DDCP出力] → [プリントと比較] → [色調整(カラーマッチング] )→ [CTP] → [本印刷] という流れになります。その結果、本印刷では微調整で色あわせができるようになります。
DDCP(Max Art)DDCP(Max Art)

ご注意:PDFデータでは色の手直しできません。
PDFでは色の手直しはできません
手直しできるデータ(Illustrator, Photoshop, Indesignなど)で入稿してください。

「色見本に合わせて」という場合は、PDFでの入稿はできません。
PDFは色の手直しができないので、必ずPDFにする前のオリジナルデータ(Illustrator, Photoshop, Indesign・・・)と、リンクデータを入稿ください。
もちろん、そのアプリケーションのバージョンもお知らせください。

「校正刷りと、本刷りの色が合わない」というトラブル

 印刷前(プリプレス)の工程がほぼデジタル化しているにもかかわらず、カラー印刷物の色校正はいまだに平台校正機が多く利用されています。そのため、「校正刷りと、本刷りの色が合わない」というトラブルも少なくありません。
 平台色校正もプリントと同様で、印刷機とピッタリ同じにはなりません。
 その理由は、
   ● 平台校正機と印刷機では、機械の性能・仕組みが違う。
   ● 平台校正は外部の専業者(校正屋さん)に依頼。
   ● 平台校正機と印刷機では、版材、インキなどが異なる。

  従って、カラープリントの場合と同様に平台校正の色に合うよう、データの手直しをします。

最も大切なことは、「印刷機を日々最適の状態にメンテナンス」しておくこと

■色は変化しやすいもの!
 印刷には色が変化する様々な要因があります。
 まず、印刷機が設置してある環境(温度・湿度)。また、ブランケットの種類、胴仕立て、印圧、印刷速度、インキの硬さやメーカーの違い、浸し水の量、アルコール量などによっても、色は変化してしまいます。
 このように、色が変化する要因はたくさん存在します。
 そんな中、私たちは、できる限り条件を一定に保ち、何回印刷しても同じ色に仕上げなければならないのです。

■印刷の標準化
印刷機の色合わせと標準化
  最後に、カラーマッチングをすすめるうえで一番大切なのは、なんと言っても「印刷の標準化」です。印刷が適正にできるように日々整備して安定した印刷品質を維持することです。
 当社では、コントロールストリップを用紙に余裕がある限りつけて、品質管理を行っています。インキ、湿し水、溶剤、ローラーなどをチェックしています。もちろん機械本体の不良・不具合が発生しないよう細心の注意を払っています。
 つまり印刷の標準化とは、言い換えるなら「印刷機の日々のメンテナンス」。これがカラーマッチングの原点=基本なのです。


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